たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
その瞳はいつも,好奇心と愛情に包まれていた。
それを見るのが好きだった。
それが特別なものだと知ったのはもう少しあとだったけど,その頃にはもう,彼の事が好きだった。
『いつか私達の遊びが,子供達のお勉強になって,誰かの役に立ったらいいね』
夢も語って,半分持って貰った。
『んまっなんて素晴らしいのでしょう!』
2人で沢山話し合って,クレア先生も巻き込んで。
ひっそりと確実にプロジェクトを進めたあの日々。
「それで,その人とはどうなったの? まさかエルさん,フラれたの?」
嘘でしょう!? と過大評価を詰め込んだ目が,私の全身を駆け巡る。
「あ,今日と数ヵ月前にも来てた人?」
その言葉が当たらずとも遠からずで,私はつい苦笑してしまった。