たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
私より背が高くて,女性らしい括れや凹凸のはっきりした美人なところが特徴で。
堂々とした立ち居振舞いは同姓の憧れに等しく,生まれつきウェーブのかかった綺麗な長髪は,結んでも下ろしても大人っぽい。
なのに性格も口調も,柔らかい中にさばさばした言動が見えるから,人が寄り付かないなんて事もない。
まさに,私にとっても憧れの,立派な女性である。
でもそれはベッキーだけでなく,ノアやダニ-もかな。
その優れた容姿や性格に,学校ではすごく人気があると街の噂で聞いた。
私は特別可愛いわけでもないし,ベッキーのような魅力も持たないし……
だけど
(そんな皆を独り占めしてていいのかなあ)
悲観することは何もないと知っている。
へへっと緩む頬を自覚して,私はベッキーの背に自分からも腕を回した。
抱き締められて,その愛らしすぎる匂いに包まれながらじっと考えていると