意地悪なクラスメイトが、最近甘くて困ってます
「ちょっと、皆! 声が大きいよ」
そちらに目をやると唇に人差し指を当てて、「しーっ」と言うクラスメイトのリマちゃんが見えた。
「リマなら、きっといけるよ!」
「そうそう。可愛いリマなら大丈夫!」
「そうかなぁ?」
友達に激励され頬を赤く染めるリマちゃんは、女の私から見ても可愛い。
リマちゃんは学年一可愛いと言われている女の子で、男子からも人気がある。
そんな子が、陸斗くんのことを好きだなんて。私に勝ち目なんてないんじゃ……?
「相楽兄弟、大人気だね。希空もうかうかしてたら、そのうち誰かに取られちゃうかもよ?」
「だよね……」
実際、陸斗くんは毎日沢山の女子から告白されている。
「告白するもしないも、希空の自由だけど。後悔だけはしないようにね?」
『後悔だけはしないように』
香澄ちゃんのその言葉が、なぜかやけに私の耳に残った。