意地悪なクラスメイトが、最近甘くて困ってます
放課後。この日も私は、陸斗くんと一緒に図書委員の当番だった。
委員の仕事が終わる頃には、辺りは夕焼け色に染まっていた。
図書室の司書の先生に閉館時間になったら、戸締りをするように頼まれていたので、今私は陸斗くんと図書室で二人きり。
今は陸斗くんと分かれて窓の鍵が閉まってるか、ひとつずつ確認しているところ。
「希空ちゃん、こっちの窓は全部OKだよ」
「私のほうも大丈夫だった」
「それじゃあ鍵閉めて、僕たちも帰ろうか」
「うん」
図書室の戸締りを終えて、最後に扉の鍵を閉めると、私は陸斗くんと並んで廊下を歩く。
そういえば、今日の昼休みにリマちゃんが陸斗くんに告白するって言ってたけど……どうだったんだろう? 陸斗くん、OKしたのかな?
「そういや希空ちゃん。最近、弟とはどう?」
「……」
「おーい、希空ちゃん!」
「……えっ! あっ、はい!」
しまった。つい考え込んで、ボーッとしてしまってた。
「希空ちゃん、大丈夫?」
「うん。大丈夫だよ、ごめんね。それで陸斗くん、話って……」
「ああ、うん。希空ちゃんこの前みたいに、海斗にキツく言われたりしてないかなと思って」
気にかけてくれるなんて、陸斗くんは優しいな。