意地悪なクラスメイトが、最近甘くて困ってます
「もし、海斗にまた何か嫌なこととか言われたら僕に言ってね?」
「ありがとう。最近は大丈夫だよ」
相楽くんには、今も変わらずちょっかいを出されることはあるけれど。この前みたいに、キツく睨まれるとかはないから。
「そっか。それなら良かった」
陸斗くんが、私にニッコリと微笑んでくれる。
もし、陸斗くんに彼女ができたら……こんなふうに笑いかけてもらうことはなくなるのかな。
「ああ見えて、海斗も悪気はないだろうからさ。希空ちゃんにはあいつのこと、嫌いにならないでやって欲しいな」
「……相楽くんのこと、嫌いにはならないよ」
だって相楽くんは、陸斗くんの……私の好きな人の大切な弟だから。
「希空ちゃんは優しいね」
「いや、そんな。私は陸斗くんほどでも……」
「ありがとう、希空ちゃん」
陸斗くんが、私の肩にぽんと手を置く。
「そうだ。僕、一昨日発売された東谷先生の新刊を買ったんだけど。面白くて、1日で読んでしまったよ」
もし、陸斗くんに彼女ができたら……こんなふうに二人で並んで歩くこともなくなるのかな?
「……希空ちゃん?」
急に廊下で立ち止まった私を見て、陸斗くんが首を傾げる。