意地悪なクラスメイトが、最近甘くて困ってます
職員室に鍵を返却したあと、廊下をとぼとぼと歩く私の目からは、ついに堪えていた涙が溢れ出す。
「っうぅ」
私、失恋したんだ。
陸斗くんに、振られたんだ。
私は人気のない廊下の片隅に、力なくしゃがみ込む。
「っく、う……っ」
さっきから、涙がポロポロと溢れて止まらない。
私は、両手で泣き顔を覆う。
好きだった。
去年、陸斗くんに学校の階段で助けてもらったあの日からずっと……私は、あなたのことが好きだったのに。
「振られちゃったよ……っ」
『希空ちゃん! おはよう』
こんなときでも思い出すのは、陸斗くんの優しい笑顔で。
好き。たとえ振られても、陸斗くんのことが私はまだ好き。
この1年間ずっと、陸斗くんのことだけを想ってきたんだもん。
好きって気持ちは、振られたからってそんなに簡単にはなくならないよ。
「……小嶋?」