意地悪なクラスメイトが、最近甘くて困ってます


「相楽く……っ」


すると、相楽くんが戸惑う私のことを正面からぎゅっと力強く抱きしめてくる。


「それで? 小嶋がこんなにも泣いてたってことは……もしかして陸斗に告白して振られたとか?」

「!」


ず、図星だ。相楽くん、すごい。


分かるってことは、まさか本当に今まで私のことを見ていてくれたの?


「……そうだよ。相楽くんの言うとおり。私、陸斗くんに告白して振られたの……っ」


思い出したら、何だかまた泣けてきた。


「そうだったんだ。小嶋、頑張って自分の気持ちを陸斗に伝えたんだな」


てっきり、いつもみたいにバカにされるのかと思ったら……。


「よくやったな、小嶋」


相楽くんは微笑むと、私の背中をトントンと手で優しく叩いてくれた。


「……っ、ごめん。いつまでもこうして泣いてたらダメだよね。相楽くんの制服が、涙で濡れちゃう」


そう言い、私は彼から離れようとするが。


「……いいよ」


頭の後ろに手を添えられ、相楽くんに再び抱き寄せられる。


「俺の胸で良ければ貸すから。今日は、泣きたいだけ泣けば良い」

「っうう」


私を抱きしめてくれる相楽くんは、すごく温かくて。


声も言葉も、いつもよりも優しくて。


こんなんじゃ、調子狂っちゃうよ。

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