意地悪なクラスメイトが、最近甘くて困ってます
「なぁ、小嶋。こんなときに言うことじゃないってのは、分かってるけど……お前、陸斗じゃなくて俺にしときなよ」
「え?」
「俺だったら、こんなふうに小嶋を泣かせたりはしない。だから……あいつなんかやめて、俺のことを好きになれよ」
私が、相楽くんのことを……?
相楽くんの目は、今まで見たことがないくらいにすごく真剣で。
彼が、決して冗談を言ってるわけではないということだけは分かった。
だけど……。
「ごめん。さすがにそれはできないよ。私はさっき失恋したばかりで、すぐに新しい恋なんて無理。それに……私、相楽くんのことは今までクラスメイト以上に見たことがなかったから」
「そっか。そうだよな」
相楽くんが、しゅんと肩を落とす。
「でも、相楽くんの気持ちは嬉しいよ。ありがとう」
私は、抱きしめてくれていた相楽くんからそっと離れる。
「……だったら俺、小嶋のクラスメイト以上になれるように頑張るよ。これからは、小嶋の嫌がることもしないから。だから小嶋、まずは俺と友達から始めてみない?」