意地悪なクラスメイトが、最近甘くて困ってます
4.海斗くんと友達
翌日の放課後。
私はスクールバッグを手に、教室からグラウンドへと行きかけた足を止めた。
帰宅部の私は、今まで放課後はグラウンドで陸斗くんが所属するサッカー部の練習を見てから帰るのが習慣となっていたのだけど。
そっか。今日からはもう、グラウンドへ行く必要はないんだ。
だって昨日、私は陸斗くんに振られちゃったから。
昨日のことを思い出しただけで、胸がちくっと痛む。
「おい、希空!」
突然名前を呼ばれてそちらを向くと、海斗くんが立っていた。
「お前、今日ヒマ?」
「うん。家に帰るだけだけど」
「それなら、今日はバスケ部の練習を見に来てよ」
「え、バスケ部の?」
「ああ。たまには良いだろ? 俺、希空に応援に来て欲しい。今日絶対にシュート決めるからさ」
真っ直ぐこちらを見てくる海斗くんに、不覚にも胸がドキドキしてしまう。
「俺、体育館で待ってるから」
それだけ言うと、海斗くんは教室を出て行った。