意地悪なクラスメイトが、最近甘くて困ってます
海斗くんに連れられてやって来たのは、カフェだった。
モダンでおしゃれな雰囲気の店内は、女性のお客さんで賑わっている。
私と海斗くんは、店員さんに案内された窓際の席に腰をおろす。
「俺、ここに前から一度来てみたかったんだよな。季節限定の、桜のモンブランが気になってて」
「ああ! カフェの入口でディスプレイされてたアレかあ。確かに美味しそうだった」
「だけど、男一人じゃこういう店入りづらくてさ。それで、希空に付き合ってもらいたかったんだ」
なるほど。確かにここって、圧倒的に女性のお客さんが多いもんね。
「希空はどれにする?」
海斗くんが、お店のメニュー表を私のほうへと向けてくれる。
「うーん、どれも美味しそうだけど……このイチゴのショートケーキにしようかな。あと、紅茶を」
「了解。すいません」
海斗くんが手をあげると、すぐに店員さんがテーブルにやってくる。
スマートに二人分の注文を伝える姿さえもかっこよくて、私はつい海斗くんに見とれてしまった。