意地悪なクラスメイトが、最近甘くて困ってます
「……え?」
一瞬、時が止まったかと思った。
もしかして、聞き間違いかな?
だって陸斗くんが私を好きだなんて、そんなことがあるわけ……。
「陸斗くん、こんなときに冗談はやめて」
「冗談じゃない。僕は、希空ちゃんが好き」
「……っ」
こちらを見据える陸斗くんの目は、真剣そのもので。
さっきから、胸が苦しいくらいにドクドクする。
「僕は、弟と好きな子がかぶるのも嫌だったし。昔から親に口癖のように『陸斗はお兄ちゃんなんだから。海斗に譲ってあげなさい』って言われて育ったから。
海斗の兄として、希空ちゃんのことも弟に譲ろうと思った……でも、無理だった」
陸斗くんの手が、私の頬に添えられる。
「希空ちゃんが海斗と一緒にいるところを見る度に、胸がモヤモヤして。ああ、やっぱり僕は希空ちゃんが好きなんだと改めて思った」
「陸斗く……」
「一度振ったくせに、希空ちゃんのことを好きって言うなんて。自分でも勝手だなって分かってる。でもやっぱり僕、希空ちゃんだけは誰にも渡したくない」