意地悪なクラスメイトが、最近甘くて困ってます
陸斗くんと、再び目が合う。
「希空ちゃん。僕と、付き合ってください」
「……っ」
陸斗くんにこう言ってもらえる日を、これまで何度夢見たことだろう。
1年以上片想いしていた陸斗くんに告白されて、嬉しいはずなのに。
このとき、私の頭の中にはなぜか海斗くんの顔が浮かんだ。
去年までの私なら、一度陸斗くんに振られていたとしても、迷わずすぐにOKしたんだろうけど……。
『おい、希空。帰ろうぜ』
最近私のなかで、海斗くんという存在が以前よりも大きくなってきているのは確かで。
今は、陸斗くんの告白を素直に喜べない。
「……っ」
「返事は、今すぐじゃなくて良いよ」
私が黙り込んでしまったからか、陸斗くんがそう言ってくれる。
「一度振られた相手にいきなり好きだと言われても、希空ちゃんも困っちゃうよね。ごめん」