意地悪なクラスメイトが、最近甘くて困ってます
そうだ。陸斗くんに告白されて、もうすぐ1ヶ月になるから。
さすがにそろそろ、返事をしないとまずいよね。
「何だよ? この間の返事って」
首を傾げた海斗くんが、陸斗くんに尋ねる。
「ああ……僕、希空ちゃんに告白したんだよ」
「は? 告白!?」
海斗くんが、目を丸くする。
「……そうか。陸斗、希空に告白したのか」
少しの沈黙のあと、海斗くんがぽつりと呟く。
「良かったじゃん、希空。陸斗と両想いになれて」
海斗くん……?
「俺、希空に少しでも好きになってもらえるように頑張るって宣言してから、友達としてお前のそばにいたけど。いつだって希空の心には、陸斗がいたもんな」
海斗くんが、切なげに笑う。
「やっぱり希空には、自分が本当に好きな男と幸せになって欲しいから。邪魔者は、退散するわ」
そう言うと、海斗くんは私から背を背ける。
「これからはもう、希空と必要以上に関わったりしないから。希空、陸斗と幸せになれよ」
消え入りそうな声で言うと、海斗くんは早足で教室を出て行く。