御曹司からの切望プロポーズ~妖艶で蠱惑的な瞳に迫られました~
まるで言葉を丸ごと忘れてしまったかのように、片言しか出てこない。
いきなりで頭が真っ白です、と素直に言えたら楽なのだけれど。
彼が天城社長のご子息で、取引先であるリベルラの副社長だということが頭をかすめた途端、身動きが取れなくなった。
彼には見えない角度で小さく深呼吸をして、一旦気持ちを落ち着かせる。
「佑利さん、なにか事情があるんですか?」
「差し迫った事情は特にないけど、親がうるさくてね。恋人がいないなら見合いしたらどうかって勧めるから、それなら相手は絶対に奈瑠さんがいいって言った」
こんなに急いで結婚前提の交際を申し込むなんて、深刻な問題でも抱えているのかと思ったのだが、どうやらそうでもないらしい。
親が結婚を急かすというのは、一般的に珍しい話ではない。
まったく知らない相手とお見合いするなら顔見知りである私のほうがマシ、くらいの理由だったのだろうか。
「あの……」
「返事は今じゃなくていいから。ていうか、深く考えなくていいよ」
「どういう意味ですか?」
単なる交際ではなく結婚が絡んでいるのだから人生を左右する問題なのに、考えなくていいとはいったいどういう了見なのか。
理解できない私は首をかしげながら尋ねた。
すると色香を閉じ込めたような視線で射貫かれ、一瞬でドキンと大きく胸が高鳴った。
「君はそのまま俺のところへ落ちてくればいい」
低い声でしっかりと紡がれた言葉が私の脳を痺れさせる。
妖艶で蠱惑的な彼の瞳がとても綺麗で、いつまでも見ていたい衝動にかられた。
超がつくほどのイケメン御曹司からこんなふうに口説かれて、ドキドキしない人はいないだろう。
もしかしたら全部夢なのかもしれないと、自分の頬をつねりたくなってくる。
いきなりで頭が真っ白です、と素直に言えたら楽なのだけれど。
彼が天城社長のご子息で、取引先であるリベルラの副社長だということが頭をかすめた途端、身動きが取れなくなった。
彼には見えない角度で小さく深呼吸をして、一旦気持ちを落ち着かせる。
「佑利さん、なにか事情があるんですか?」
「差し迫った事情は特にないけど、親がうるさくてね。恋人がいないなら見合いしたらどうかって勧めるから、それなら相手は絶対に奈瑠さんがいいって言った」
こんなに急いで結婚前提の交際を申し込むなんて、深刻な問題でも抱えているのかと思ったのだが、どうやらそうでもないらしい。
親が結婚を急かすというのは、一般的に珍しい話ではない。
まったく知らない相手とお見合いするなら顔見知りである私のほうがマシ、くらいの理由だったのだろうか。
「あの……」
「返事は今じゃなくていいから。ていうか、深く考えなくていいよ」
「どういう意味ですか?」
単なる交際ではなく結婚が絡んでいるのだから人生を左右する問題なのに、考えなくていいとはいったいどういう了見なのか。
理解できない私は首をかしげながら尋ねた。
すると色香を閉じ込めたような視線で射貫かれ、一瞬でドキンと大きく胸が高鳴った。
「君はそのまま俺のところへ落ちてくればいい」
低い声でしっかりと紡がれた言葉が私の脳を痺れさせる。
妖艶で蠱惑的な彼の瞳がとても綺麗で、いつまでも見ていたい衝動にかられた。
超がつくほどのイケメン御曹司からこんなふうに口説かれて、ドキドキしない人はいないだろう。
もしかしたら全部夢なのかもしれないと、自分の頬をつねりたくなってくる。