御曹司からの切望プロポーズ~妖艶で蠱惑的な瞳に迫られました~
「奈瑠さんは今、大学四年だったよね。就活中?」
「いえ。卒業後はこの会社の総務で働くことになりました」
「そうなんだ。これからもよろしく」
この瞬間、俺は人知れず心の中でガッツポーズをしていた。
これで今後も繋がりができた。あとはどうにかして距離を詰めていくだけ。
しかしこのあと副社長に就任した俺は一気に仕事が立て込んだ。
なにかほかに彼女と接点はないだろうか。食事に誘うきっかけがほしい。
そんな欲望を抱いたまま時間だけが過ぎ、今に至ってしまった。
結局俺と彼女の関係は出会ったころから微塵も変わっていない。
会えば会うほど愛しい気持ちが膨らんで大きくなっているのに。
「佑利、専務の娘と見合いをしないか? お前もそろそろ結婚を考えてもいい年齢じゃないか」
ある日、自宅へ戻った途端に父からいきなり見合いの話をされた俺は自然と眉根が寄った。
遅かれ早かれいずれそういうことを言いだすはずだと、なんとなく予感はあったものの、ついにきたかという感じだった。
専務の娘と面識はないが、俺と同い年なので年齢的にお似合いだと考えたのだろう。
「あら、それならお相手は秘書課の遠野さんのほうがいいんじゃない? 彼女はとても気が利くもの」
リビングで優雅に紅茶を飲みながら母が参戦してくる。
遠野さんを女性として意識したことはないし、俺は微塵も恋愛感情を抱けない。優秀な秘書以外の何者でもない。
「いえ。卒業後はこの会社の総務で働くことになりました」
「そうなんだ。これからもよろしく」
この瞬間、俺は人知れず心の中でガッツポーズをしていた。
これで今後も繋がりができた。あとはどうにかして距離を詰めていくだけ。
しかしこのあと副社長に就任した俺は一気に仕事が立て込んだ。
なにかほかに彼女と接点はないだろうか。食事に誘うきっかけがほしい。
そんな欲望を抱いたまま時間だけが過ぎ、今に至ってしまった。
結局俺と彼女の関係は出会ったころから微塵も変わっていない。
会えば会うほど愛しい気持ちが膨らんで大きくなっているのに。
「佑利、専務の娘と見合いをしないか? お前もそろそろ結婚を考えてもいい年齢じゃないか」
ある日、自宅へ戻った途端に父からいきなり見合いの話をされた俺は自然と眉根が寄った。
遅かれ早かれいずれそういうことを言いだすはずだと、なんとなく予感はあったものの、ついにきたかという感じだった。
専務の娘と面識はないが、俺と同い年なので年齢的にお似合いだと考えたのだろう。
「あら、それならお相手は秘書課の遠野さんのほうがいいんじゃない? 彼女はとても気が利くもの」
リビングで優雅に紅茶を飲みながら母が参戦してくる。
遠野さんを女性として意識したことはないし、俺は微塵も恋愛感情を抱けない。優秀な秘書以外の何者でもない。