御曹司からの切望プロポーズ~妖艶で蠱惑的な瞳に迫られました~
「【俺と結婚してください】って意味」

 妖艶で蠱惑的な瞳に迫られたら、ぼうっと熱に浮かされたみたいになにも考えられなくなる。
 だけど、どろどろに溶けてしまいそうになるくらいうれしくて涙があふれそうになった。

「あの……どうして私なんですか?」

 御曹司でイケメンの佑利さんなら引く手あまたのはずだ。
 彼と結婚したいという女性は探さなくてもたくさんいると思うのに、なぜ彼は私を選んだのだろう。

「出会ったころ、俺が眠れないって言ったら安眠グッズをくれたのを覚えてる?」
「……ああ、はい」
「あのあとぐっすり眠れる日が増えたんだ。というより、君に会えた日はよく眠れた。仕事ばかりしていた俺に君自身が癒しをくれてたからだったんだよ」

 彼の大きな手が伸びてきて、風で乱れた私の髪を耳にかける。
 目力のある瞳で射貫かれた私は、まばたきを忘れるほど彼に釘付けになっていた。

「好きなんだ。この先も永遠に君を大事にしたい」
「私で……いいんですか?」
「君以外考えられない。俺は一途だから、首を縦に振ってくれるまで何度でもプロポーズするよ」

 だからもうあきらめろとばかりに、彼がやわらかくふわりと笑う。
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