空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~

「ありがとう、那知。…でも何でそんなに頑張るんだ?さっきも夕飯作るって…」

すると、涙を拭った那知が座り直して話し出した。

「前の話をするけどごめんね。…林田さんと付き合ってた時がそうだったの」

「ん?」

「残業で少し遅くなった時とか…今日みたいな遠出の日帰り旅行から帰ってきた時とかに『疲れてるだろうから夕飯は簡単なのでいいよ』って言われて」

「はぁ?…簡単なのって…要は作れって事だろ?」

「ん……私もね、最初の頃は、そういう時くらい外食とかにして欲しいって思ったけど…段々とそれが私も当たり前になっちゃって、簡単なのでいいならいいかな、って」

「…なんだそれ……林田は亭主関白タイプか?」

「ううん…そういうのではなくて、相手の事を考えられない感じかな。何度か言ってみたけどわかってもらえなかったし」

「………」

ほんとに那知はダメンズを寄せ付けるんだな…


「だから今日もとりあえず夕飯を作ろうかな、って。それが普通だったし、苦な訳ではないから」

「そうか。…でもな那知、俺はあいつとは違うからな。だから、俺にはちゃんと甘えること。言いたい事はちゃんと言うこと。いいな?」


「…はいっ」

そう笑う那知が可愛くて、抱き締めようとしたら…

「賢太郎さん、大好き!愛してるっ!」
って抱きつかれた。

驚いてる俺に、那知が微笑んで言う。

「言いたい事は言っていいんでしょ?だから言いたかったから言ったの。…あれ、なんか早口言葉みたい、あははっ」

びっくりしたけど……あぁ、もう……


「ファミレスやめてデリバリーな。ピザなら多少冷めてもいいよな」

「うん…いいけど、でも届いたらすぐに食べるよね?」

と、那知が俺に抱きつくのをやめて座り直した。
抱きついたままでいいのに。


「いや、これから抱くから」

「はっ…はい!?」

「もうさ、那知が可愛すぎて、大っ好き過ぎて、我慢できない」

ってスマホのアプリでピザの注文をしながら言うと、那知が真っ赤になってアワアワしてる。

「でっでもそしたら、ピザが届いても玄関に出られないし」

「俺は服着てるから大丈夫」

「…?」

「届くまでは那知を可愛がって、届いた後に愛し合うから」

「………」

はは、真っ赤なまま固まっちゃった。

「よし、30分位で届きそうだな。…じゃあ那知、いい?」

「よっ…よくなーい!」
ってあっち向いちゃった。

だって、こんなに可愛い那知を前にして、手を出さずにいられるワケがないよな。



「那知、こっち向いて?」

「………」

赤い顔のまま無言でこっち向いた。
クッ……可愛すぎる。

その那知を優しく抱き締めて言う。

「捕まえた。…嫌ならしないよ……けど……俺に那知を愛させて?」


「ん……いーよ…」

赤い顔で口を尖らせて言うんだけど…
何て言うのかな、オンナが顔に出ちゃってるんだよな……はぁ…たまんねぇ…

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