空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~
そして金曜日の今日──
賢太郎さんと私は定時に仕事を終え、一緒に帰ってきた。
2人で買い物へ行き、夕飯は私が作ると言ったけど、賢太郎さんもいっぱい手伝ってくれた。
そして食後はお風呂も一緒に入ったんだ。
…当分の間、一緒にいられないから。
賢太郎さんは明日のお昼前に東京を出発する。
そして私は、来週の木曜日にここを出る。
私達は最低でも1か月の間、離れて暮らすことになる。
しかも私が山形へ行けば、新幹線を使っても片道7時間はかかる距離。
賢太郎さんは忙しくなるみたいで、週末も東京に帰れるかどうかまだ分からない。
だから…簡単には会えないと覚悟した。
ちなみに私の方は、山形工場にいる同期が近くのウィークリーマンションを紹介してくれたお陰で、早々に契約ができた。
あとは細々とした生活用品と、持っていく衣類の整理のみ。
今、賢太郎さんはお部屋で自分の荷物の確認をしてるから、私はお邪魔にならないように、自分の洋服や下着をリビングに引っ張り出してきた。
持って行く物を選別するのに、ひとつひとつ見ていく。
あっ、このルームウェアは絶対に持っていくんだ。
賢太郎さんが「これ那知に着てほしい!」って買ってくれんだもん。
ふふ、白地に薄いピンクとイエローのボーダーでモコモコしてて、暖かくって私もお気に入りなの。
今着ているイエローとエメラルドグリーンのボーダーのと色違いなんだ。
…あれだけ「自分のものは自分で買うからね!」って賢太郎さんに宣言してたのに…
結局、私のクローゼットは賢太郎さんに買ってもらったものばかりになってしまった(下着を含め)。
それらを手に取りながら、買ってもらった時の事を思い出し、ふふふ、と笑いながら畳む。