空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~
2人を後部座席に乗せ、華舞へと車を走らせる。
といってもすぐに着く距離だけど。

…ほら、もう見えてきた。


「やっぱ堀田リナは見かけなかったね」
「うん。同じ電車にはいなかったよね」

「そうか…じゃあ明日のセンが強いな」

「そうだね…」

「でも油断はするなよ。那知、何かあったらすぐに連絡しろよ、俺も近くにいるから」

「ん、ありがとう、賢太郎さん」



ライトアップされた華舞のアプローチを抜け、玄関前の車寄せに停車すると、俺は那知のいる後部座席のドアを開けた。

「ありがとう」と可愛い笑顔を見せてくれる那知の唇に、ちゅっ、と軽いキスをした。

真っ赤な顔でびっくりしてる。
はは、可愛い。

「ふ、今日はこれで我慢する。濃いのは明日。な?」

「もぉ……ふふっ、そうだね。明日一緒に泊まれるの、楽しみにしてるね」

なんて可愛く言われるとさ…

あー!やっぱ何がなんでも一緒に泊まるべきだった!


でも我慢…ガマン…


しかし何故だ、物理的に会えなかった時よりキツいんだけど。

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