空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~
「那知……どうした、何で泣いてるんだ?……頭痛がひどくなったか?」
また涙が目尻から流れて、耳を伝う。
「ううん……頭痛は大丈夫」
横になったまま、枕元にあったタオルを手に取り、涙を押さえた。
「じゃあ……ケンのことか」
「………」
うん、とも、ううん、とも言えなくて…だんまりになってしまった。
…それが、うん、と言っている様なものなのに…
「聞いたよ、お前が倒れた時の事。…ケン、すごく責任感じてた」
…責任……
「あと紅羽さんからも話を聞いたよ」
…紅羽さん…一緒に来たのかな…
「ま、これ以上は俺が言うことじゃないからな、後はケンから直接聞いたらいい」
賢太郎さんから直接……
「……こわい……」
「何が?」
「会うのが……聞くのが……こわい……」
素直に不安を吐露すると、お兄ちゃんは優しく笑って頭を撫でてくれた。
「大丈夫だ。…それだけは言っとく。だって考えてもみろ。万が一、那知を傷つける様な話だったら俺が許す訳ないだろ?ましてや『直接聞け』だなんて口が裂けても言わねえって」
「…お兄ちゃん…」
「それにな、もしケンが浮気や心変わりしようもんなら『ケンのくせに生意気だぞ!』って、兄ちゃんがギッタギタのメッタメタにしてやるからな!」
げんこつを振り上げながら、あのガキ大将キャラみたく言うお兄ちゃんに、自然と笑みがこぼれた。
「…ふふ、ありがとう、お兄ちゃん。……わかった…直接聞くね」
「あぁ、それがいい。じゃあ兄ちゃん、売店でお昼買ってくるな」
「あっ…病院の中に食堂はないの?それか近くのお店でゆっくり食べてきていいよ」
「でも……」
「大丈夫。それにまた少し眠くなったから休んでるし」
「そうか……わかった。じゃあお言葉に甘えて外で食事してくるな。看護師さんには俺が離れること言っておくから」
「うん、ありがとう」
「あ、ケンには俺から連絡しとくな、那知が目を覚ましたこと。何か今日は忙しそうだったから昼間に来れるかわからないけど」
「…うん、わかった」
「…那知。ケンはお前が救急車で運ばれる時から俺が来るまで、ずっとお前についてたんだぞ。まぁ俺が来てからも離れなかったけどな。…それに、夜も土曜からここに泊まり込んでる」
「えっ……」
「本当は俺が泊まり込むつもりでいたんだけど、ケンが那知の側にいたいって言うから夜は任せてたんだよ。俺は近くのビジネスホテルに宿とってさ。ケン、昨日の昼間は仕事で出てたけど、夕方はまたここに戻ってきて、今日もここから出てったよ」
……賢太郎さん……
そんな話を聞いたらまた涙が止まらなくて、タオルで顔を押さえた。
「あれはただ責任を感じてたからじゃない。お前のことが大事で、大っ好きで、片時もお前と離れたくなかったんだよ。…だから大丈夫だ。ケンを信じろ」
「ん……うん……ありがとう、教えてくれて……」
グスグスと鼻を鳴らしながら言うと、優しくポンポンと頭を撫でられた。
「ほんとにケンは一回りも二回りも強くて優しい男になったな……兄ちゃん、安心して那知を嫁に出せるよ。へへっ……じゃ、腹へったし、昼メシ行ってくるな!」
そう言ってお兄ちゃんは涙目を隠しながら病室を出ていった。
…ありがとう、お兄ちゃん。
ふわあぁ……
たくさん眠ってたはずなのにまだ眠い……
お兄ちゃんも帰ってくるまで1時間位はかかるだろうし、寝ていようかな…
なんて…うとうとし始めた私はまた、気持ちよく眠りについた。
また涙が目尻から流れて、耳を伝う。
「ううん……頭痛は大丈夫」
横になったまま、枕元にあったタオルを手に取り、涙を押さえた。
「じゃあ……ケンのことか」
「………」
うん、とも、ううん、とも言えなくて…だんまりになってしまった。
…それが、うん、と言っている様なものなのに…
「聞いたよ、お前が倒れた時の事。…ケン、すごく責任感じてた」
…責任……
「あと紅羽さんからも話を聞いたよ」
…紅羽さん…一緒に来たのかな…
「ま、これ以上は俺が言うことじゃないからな、後はケンから直接聞いたらいい」
賢太郎さんから直接……
「……こわい……」
「何が?」
「会うのが……聞くのが……こわい……」
素直に不安を吐露すると、お兄ちゃんは優しく笑って頭を撫でてくれた。
「大丈夫だ。…それだけは言っとく。だって考えてもみろ。万が一、那知を傷つける様な話だったら俺が許す訳ないだろ?ましてや『直接聞け』だなんて口が裂けても言わねえって」
「…お兄ちゃん…」
「それにな、もしケンが浮気や心変わりしようもんなら『ケンのくせに生意気だぞ!』って、兄ちゃんがギッタギタのメッタメタにしてやるからな!」
げんこつを振り上げながら、あのガキ大将キャラみたく言うお兄ちゃんに、自然と笑みがこぼれた。
「…ふふ、ありがとう、お兄ちゃん。……わかった…直接聞くね」
「あぁ、それがいい。じゃあ兄ちゃん、売店でお昼買ってくるな」
「あっ…病院の中に食堂はないの?それか近くのお店でゆっくり食べてきていいよ」
「でも……」
「大丈夫。それにまた少し眠くなったから休んでるし」
「そうか……わかった。じゃあお言葉に甘えて外で食事してくるな。看護師さんには俺が離れること言っておくから」
「うん、ありがとう」
「あ、ケンには俺から連絡しとくな、那知が目を覚ましたこと。何か今日は忙しそうだったから昼間に来れるかわからないけど」
「…うん、わかった」
「…那知。ケンはお前が救急車で運ばれる時から俺が来るまで、ずっとお前についてたんだぞ。まぁ俺が来てからも離れなかったけどな。…それに、夜も土曜からここに泊まり込んでる」
「えっ……」
「本当は俺が泊まり込むつもりでいたんだけど、ケンが那知の側にいたいって言うから夜は任せてたんだよ。俺は近くのビジネスホテルに宿とってさ。ケン、昨日の昼間は仕事で出てたけど、夕方はまたここに戻ってきて、今日もここから出てったよ」
……賢太郎さん……
そんな話を聞いたらまた涙が止まらなくて、タオルで顔を押さえた。
「あれはただ責任を感じてたからじゃない。お前のことが大事で、大っ好きで、片時もお前と離れたくなかったんだよ。…だから大丈夫だ。ケンを信じろ」
「ん……うん……ありがとう、教えてくれて……」
グスグスと鼻を鳴らしながら言うと、優しくポンポンと頭を撫でられた。
「ほんとにケンは一回りも二回りも強くて優しい男になったな……兄ちゃん、安心して那知を嫁に出せるよ。へへっ……じゃ、腹へったし、昼メシ行ってくるな!」
そう言ってお兄ちゃんは涙目を隠しながら病室を出ていった。
…ありがとう、お兄ちゃん。
ふわあぁ……
たくさん眠ってたはずなのにまだ眠い……
お兄ちゃんも帰ってくるまで1時間位はかかるだろうし、寝ていようかな…
なんて…うとうとし始めた私はまた、気持ちよく眠りについた。