空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~
安心できたことで心に余裕ができたからか、ふとお兄ちゃんから渡された封筒を思い出した。

「あ、そうだ…封筒……どこ置いたんだっけ…」
賢太郎さんの胸から離れ、辺りを見回す。


「封筒?…この大きいの?」

と、床頭台のテーブルにあったそれを賢太郎さんが取ってくれた。

「あっ、これだ。ありがとう」

「それは何?」

「お兄ちゃんが私にくれたの。まだ見てなかったから…」

と中を覗き込んで取り出すと、入っていたのは薄い冊子が1冊と、色付きの懐紙が数枚、そして二つ折の小さな紙だった。


「あっ!これ…あの時の懐紙だ!」

「…ふ、懐かしいな。俺が那知にあげたんだよな」

「そうだね。………私、これを無意識に思い出してデザインしてたんだ…」

「あぁ。俺も最初に那知の皿を見た時、細かい模様は違えど、この色と柄の組み合わせだったからびっくりしたよ」


それから二つ折の小さな紙を開いてみると、そこにはアルファベットの文字列がズラリ。

「これって……」

それを横から覗き見た賢太郎さんが「あっ!」と声を上げた。

「俺が那知にあげたアメリカの住所と電話番号だな……うわ、懐かしいな…」


そうだ。
私、これをもらってすごく、すごく、嬉しかったの。
ケンちゃんとまだ繋がれるんだって…


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