空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~
〝お前は『男』ではないのだ〞と突き付けられた事に項垂れていると、…キュキュッ……シャー…と、シャワーを流す音が聞こえてきた。
だからちょっと待てって……
那知を直視できなくなった俺は、もう一つのデッキチェアに腰掛け、そこから見える夜空を見ながら会話をすることにした。
一人にさせたらマジで危ないからな。
ちゃぷ……ちゃぽん……
「はー……気持ちいー……」
「那知、湯加減はどうだ?」
「ちょうどいいよー……はー…月と星がすごくきれーい……賢太郎さんも一緒に入ればいいのにー、ふふっ」
「…あのなぁ…」
本気か?
本気でいいのならマジで入るぞ?
「あはは、じょうだーん」
冗談か………ガックリ。
「…じゃあ後で入るよ」
「うん、それがいーよー、気持ちいいからー」
ちゃぷ…ちゃぷ……
「はー…癒されるー…」
ちゃぷ……
…あれ、おとなしくなったな…
「……那知?」
ざぱ……ちゃぷ……
お湯の動く音はするが、那知からの返事はない。
「那知?……どうした?」
「………」
応えがない…って…
「那知 !?」
返事のない事に焦り、露天風呂に目を向けると、こちらを背にして湯船の縁の岩に腰掛ける那知の姿があった。
万が一の事でなくてホッとしたが、少し俯いてるのが気になった。
「那知…」
後ろ姿とはいえ裸だし、安易に近付けない、よな…
しかも、艶かしいほど綺麗な括れをみせるウエストに女を感じてしまい、これ以上の刺激は俺的にヤバくて。
「那知、のぼせたか?風呂から上がるなら今バスローブ持ってくるから、そのままで少し待ってろよ」
すると、何も言わず背を向けたまま頭を何度か横に振り、ちゃぷん…と肩まで湯に浸かると、少し俯いた。
「…那知?どうした?」
悪いとは思いつつ後ろから近付くと、小さく嗚咽が聞こえた。
「…ふっ……うっ……」
「那知……」
両手で顔を覆う那知の頭にそっと手を置いた。
女性相手にこんなことをしたのも、こんな気持ちになったのも初めてで、こんな時にどうするのが正解なのかもわからないとか…
本当に大事な時に役立たずだな、俺…
「…ごめんね……ちょっと思い出しただけだから……大丈夫……」
そう言う姿に…さっきまでは見られなかった、辛さや悲しさ、悔しさが、今になって滲み出てきた様に見えた。
平気な素振りを見せてたけど…
きっと、これが今の本当の那知なんだ。
…そう思ったら、もう自分を抑えたくなかった。
いや、抑えられなかった。
こんな衝動ももちろん初めてのことだ。
…自分の社会的地位を今ほど煩わしいと思ったことはねぇな。
そんなものをなげうってでも、今、目の前にいる那知を助けたい。
那知の心の中の辛いものを全て取り除いてやりたい。
ただの一人の男として、那知を愛したい。
だからちょっと待てって……
那知を直視できなくなった俺は、もう一つのデッキチェアに腰掛け、そこから見える夜空を見ながら会話をすることにした。
一人にさせたらマジで危ないからな。
ちゃぷ……ちゃぽん……
「はー……気持ちいー……」
「那知、湯加減はどうだ?」
「ちょうどいいよー……はー…月と星がすごくきれーい……賢太郎さんも一緒に入ればいいのにー、ふふっ」
「…あのなぁ…」
本気か?
本気でいいのならマジで入るぞ?
「あはは、じょうだーん」
冗談か………ガックリ。
「…じゃあ後で入るよ」
「うん、それがいーよー、気持ちいいからー」
ちゃぷ…ちゃぷ……
「はー…癒されるー…」
ちゃぷ……
…あれ、おとなしくなったな…
「……那知?」
ざぱ……ちゃぷ……
お湯の動く音はするが、那知からの返事はない。
「那知?……どうした?」
「………」
応えがない…って…
「那知 !?」
返事のない事に焦り、露天風呂に目を向けると、こちらを背にして湯船の縁の岩に腰掛ける那知の姿があった。
万が一の事でなくてホッとしたが、少し俯いてるのが気になった。
「那知…」
後ろ姿とはいえ裸だし、安易に近付けない、よな…
しかも、艶かしいほど綺麗な括れをみせるウエストに女を感じてしまい、これ以上の刺激は俺的にヤバくて。
「那知、のぼせたか?風呂から上がるなら今バスローブ持ってくるから、そのままで少し待ってろよ」
すると、何も言わず背を向けたまま頭を何度か横に振り、ちゃぷん…と肩まで湯に浸かると、少し俯いた。
「…那知?どうした?」
悪いとは思いつつ後ろから近付くと、小さく嗚咽が聞こえた。
「…ふっ……うっ……」
「那知……」
両手で顔を覆う那知の頭にそっと手を置いた。
女性相手にこんなことをしたのも、こんな気持ちになったのも初めてで、こんな時にどうするのが正解なのかもわからないとか…
本当に大事な時に役立たずだな、俺…
「…ごめんね……ちょっと思い出しただけだから……大丈夫……」
そう言う姿に…さっきまでは見られなかった、辛さや悲しさ、悔しさが、今になって滲み出てきた様に見えた。
平気な素振りを見せてたけど…
きっと、これが今の本当の那知なんだ。
…そう思ったら、もう自分を抑えたくなかった。
いや、抑えられなかった。
こんな衝動ももちろん初めてのことだ。
…自分の社会的地位を今ほど煩わしいと思ったことはねぇな。
そんなものをなげうってでも、今、目の前にいる那知を助けたい。
那知の心の中の辛いものを全て取り除いてやりたい。
ただの一人の男として、那知を愛したい。