空色の手紙は執着愛の証 ～溺愛は再会とともに～

私は、東雲 那知（しののめ なち）。
都内にある老舗食器メーカー『株式会社 TOKIWA(ときわ)』で食器のデザイナーをしている。

元々童顔と言われることが多く、155㎝でショートボブにしているせいか若く見られがちだけど、実はアラサーの28歳。


そして、林田 尚人（はやしだ なおと）は２年前からお付き合いしている恋人で、私より２つ年上の30歳。

優しい性格が表れている顔立ちに、身長も175㎝と私より20㎝高く、最近になって「林田さんてスマートで結構イケメンだよね」と社内で耳にするようになった。


尚人とは同じ会社に勤めているが、お付き合いしている事は、尚人の希望で内緒にしていた。

〝出来損ないの僕が、キミみたいな有能で可愛い人を恋人にしたら、同僚のやつらに絶対にボロクソに言われるに決まってる。…だから、僕が営業成績上位になって皆に認められるまでは職場には内緒にしておきたいんだ…頼む！〞

と、最初に手を合わせてお願いされたから。

確かに告白された頃の尚人は、営業にしては押しが弱く、相手に言いくるめられてばかりで、なかなか成績を残せずにいた。

じゃあ、真面目で穏やかな人柄を逆に活かした営業に変えてみたら案外いけるのでは？と思って、私も一緒に営業の仕方を考えたり、商品についてレクチャーしたりもした。

そして半年前頃から営業成績で一位二位を争う様になると自信がついてきたのか、尚人が「そろそろ皆に僕達の事を暴露しちゃって、結婚も考えようか」と言ってくれた。

私も尚人の頑張りを間近で見ていたから、その言葉は本当に…本当に嬉しかったんだ。