空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~
………う…ん……
…ん?
目が覚めると、隣には賢太郎さんが眠ってた。
あれ、裸……
えっと……
あー!そうだ!
私、賢太郎さんと……しちゃった!
ひゃあ!
今になって恥ずかしくなってきた!
私、思いっきり気持ち伝えてたよね…
賢太郎さん、覚えてるかな…
でも…すごく…すごく嬉しかった。
幸せだった…ふふ
心をさらけ出して素直に感じるのがあんなに気持ちがいいだなんて、初めて知ったよ。
だけど…
あんなに乱れたのなんてほんとに初めてで…
うわぁ…思い出したら恥ずかしい!
そうだ、露天風呂に入ってこよ!
もうすっかり酔いも覚めたし大丈夫だよね。
よし。
温泉で温まりながら、外の風にあたってこよう!
賢太郎さんを起こさないように、そっと布団から抜け出ると、傍に置いてあった浴衣を羽織り、バスローブを持って露天風呂のあるテラスへ出た。
……ちゃぷん……
はぁぁ……
朝の露天風呂って清々しくて気持ちいい…
最高……はぁ……
それにしても…
賢太郎さん、本当に私と結婚するつもりなのかな…
離さない、とか、子供を産んで欲しい、とは言われたけど「結婚」て言葉はなかったよね。
それに…現実的なことを考えたら、私は賢太郎さんの事、名前しか知らない。
賢太郎さんだって、私について知っているのは名刺の情報だけだもん。
住んでる所とか…お仕事とか…お互いの家族の事とか…それこそ私達の結婚観とか…
なーんにもわからない。
それでも……好きになったの。
一緒にいたいと思ったの。
本気かな…
どうするつもりなのか、ちゃんと聞かないとだよね…
…そんな事をぼんやり考えながら、湯船の縁に寄り掛かって、朝日を浴びるお庭をしばしボーっと見ていた。