空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~
運命の続きはオフィスにて/side那知
──北陸から都内までは長い長いドライブだったはずなのに、着いてしまうとあっという間だった。
私のマンションに着いて車を降りる時、名残惜しさを見せずにいたんだけど、賢太郎さんが「まだ一緒にいたいけど…もう遅いからまた明日な」って優しくキスしてくれて…同じ気持ちでいてくれたのが嬉しかった。
そして「明日、仕事が終わったら一緒に食事しよう」って言ってくれて、次の約束ができたことで、不安と寂しさが消えちゃったんだ。
夕方頃に連絡が来るのかなぁ。
ふふ、明日は嬉しくて仕事が手につかないかも……なんて。
でも賢太郎さんの職場ってどの辺りなんだろう。
都内とは聞いたけど、仕事終わりに会えるのなら、それほど遠くはないのかも。
駅で待ち合わせするのかな。
「俺の仕事も明日わかるよ」って言ってたから、明日も賢太郎さんの事がまた一つ知れる。
ふふ、それが嬉しい。
でも……
これって本当に現実に起きてることなんだよね?
何だか夢の中にいるみたいで…どこかまだこの状況を信じられない私がいる。
だって、賢太郎さんは昨日、初めて会った人なんだよ?
ていうか私なんて、3日前まで尚人と付き合ってたんだよ?
…最後の2か月は会っていなかったけど。
それがもう、賢太郎さんとの結婚話だよ?
しかも次の週末は私の実家に行くんだよ?
あ!それはそうと…
明日、会社で霧ちゃんに話したら何て言われるかな。
驚くだろうなぁ。
ほんとに霧ちゃんの言ってた夢物語みたいな出逢いがあったんだもん、ふふっ。
ていうか、そもそも何て言お…
「初対面の男性を同室に誘って、お酒飲んで愚痴て…好きになって…抱かれて…その人と結婚することにしました」
って正直に言った方がいいのかな。
…ていうか中途半端に言っても絶対に全部吐かされるよね…
感が鋭いから、きっと嘘ついても見破られちゃう。
…なんてお風呂に浸かりながら考えていたんだけど、両手でほっぺたをさわったらお肌の調子がいいことに気付いた。
おとといはあんなにボロボロで、せっかくの旅行なのに恥ずかしく思うくらいだったのに…
よく恋をするとお肌が綺麗になるって聞くけど、それかな?
それとも……あんなに愛されて…抱かれたから…?
いや、そんな即日で効くものなのかはわからないけど……とにかく、恋のチカラってすごい!
それだけ、私は私が思っている以上に賢太郎さんが好きなんだ……ふふ。