空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~
そして4か月前、旅行の約束をした。

「もう少しで僕達が恋人になって2年だろ?その記念日に旅行に行こう。ほら、那知が一度泊まってみたいって言ってた旅館、あるだろ?そこにしようよ」

「え!でもそこ…2人で泊まるには高いよ、記念日とはいえ…」

「いや、だからこそ、そこにしようよ。最高の記念日にしよう」

「……本当に?…いいの?」

「もちろんいいよ。この旅行から帰ったら、会社でお土産を渡しながら僕達が付き合ってる事を話そうか」

「うん、そうだね」

「那知との旅行、楽しみだな。あっ、じゃあさ、那知が予約してくれる?僕が勝手に予約して、那知の希望と違ってたら困るしさ」

「うん、わかった。それなら私が予約しておくね」

「ありがとう。もちろんお金は僕が出すから」

「いいよ、それは割り勘で…」

「那知、そこは男に甘えるとこだろ?」

「んー…わかった」

「腑に落ちないみたいだね。でもそんなしっかり者の那知が大好きだよ。結婚したら今度は僕がしっかりして、那知を支えてあげるからね」


…って言って抱き締めてくれたのに…

< 4 / 189 >

この作品をシェア

pagetop