空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~
「!!!!!」
キリッとした霧ちゃんの切れ長の目って、こんなに開くんだ!
…ってこっちが逆に驚いてしまうほど目を丸くした霧ちゃんは口をパクパクさせた。
「なっ…なっ…なっ…なっ…那知が……」
「あはは、霧ちゃん、大丈夫?」
「っ………あー、ビックリした…」
「そんなに驚くこと?」
「ったり前でしょ!あの、ほんわかしたかわゆい那知がそんな大人のメイクラブしちゃうとかさ!…一応聞くけど…ヤツにフラれた事でヤケになったんじゃないのよね…?」
「うん、全くヤケじゃないよ。私がその人に惹かれて…その人に話を聞いてもらって…心を受け止めてくれて、認めてもらえたのが嬉しくて好きになったの。ふふ、まぁ確かに私にしてはかなり大胆だったけど」
「じゃあ…もう林田の事は…」
「ふふ、全然。…幸せ過ぎて忘れてたもん」
「那知ぃ……強くなったねぇ……」
霧ちゃんが、立ち上がって私を抱き締めながら「よしよし」と頭を撫でてくれた。
「ありがとう、霧ちゃん。近い内に霧ちゃんにも会ってほしいな。霧ちゃんのこと話したら『いい友達を持ったね』って言ってくれたから」
「モチよ!ちゃんと那知を大事にしてくれる男か、あたしが見極めるから。で、どんな男?イケメン?」
「うん!背が高くてね、キリッとした感じのすっごいすっっごいイケメンさんなの!」
「林田より?」
そう問われて、ここには霧ちゃんの他に誰もいないんだけど、何となく尚人に申し訳なくて、霧ちゃんの耳元でこっそりと「レベチ」って答えた。
「あっははは!そうなんだ!……で?アッチの方はどうだった?林田と比べてどうよ?ニヒヒ」
「それも比べたら申し訳ないけど…」
と前置きしつつ、また耳元で、さっきよりもこっそり「ほんと、何もかもがレベチですごくて…正直その…初めてイクっていう経験をしたの」って答えた。
尚人には悪いけど、本当にすごかったんだもん…
「マジ!? あっははは!いやー、那知がそこまで言えるのなら本当に安心した。ねぇねぇ、他には?歳は?職業は?…って聞きたいトコだけどー…そろそろ戻らないとね。続きは昼休みにじっくり聞かせてもらうわよぉ~ニヒヒヒ」
「ふふ、いいよ。て言ってもまだ私もお仕事とか知らないんだけどね。それより、朝礼に龍綺さんとお兄さんが来るんでしょ?お二人とも初めてお会いするから、楽しみ~ニヒヒヒ」
って私も霧ちゃんの真似をして、二人で笑いながらオフィスに戻った。