空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~

恋人は社長!/side那知

えっ!うそ、ちょっと待って!

なんでなんで!?
なんで賢太郎さんがいるの!?

だって来るのは霧ちゃんのお兄さんだよね!?
だって霧ちゃんは相馬さんで、十和田さんじゃ…

あ、違うか。
相馬は龍綺さんの姓だもんね。

えっと、確か霧ちゃんの旧姓は…

って……あれ?…私、霧ちゃんの旧姓…聞いたことない…

…てことは……まっ…まさか……!?


前方の一段高い教壇の様なステージ上で常磐社長と龍綺さんと何やら話している賢太郎さんを見ながら、霧ちゃんに話しかけた。


「あ、あのさ……霧ちゃんのお兄さんて…十和田…賢太郎さん…?」


ドキドキしながらおそるおそる小声で聞くと、霧ちゃんがやや驚きつつ小声で聞き返してきた。

「兄貴を知ってるの !?」


ああぁ!!やっぱり!!


「…あの……えと……」

目線ウロウロ、人差し指モジモジ…な私の様子でピンときたみたい。


「まさか…もしかして……那知の相手って…兄貴…とか言う?」

「…うん……賢太郎さん…なの…」

さっき赤裸々に語ってしまったことを思い出してしまい、急に恥ずかしくなって両手でほっぺたを覆って言うと、霧ちゃんがさっきと同じまぁるい目を私に向けた。

「マ!…ジで…!?」

「うん……ほんと…」

更にドキドキが強くなり、かぁぁ…と顔が赤くなるのが自分でも分かる。


でも…

ここに賢太郎さんがいることと、賢太郎さんが霧ちゃんのお兄さんて現実に私の方がびっくりで…


はぁ…

まだドキドキが収まらない。

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