空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~

朝礼後のオフィスはまだまだ色めき立っていた。

なぜなら…

新しい社長&副社長は目が覚めるほどのスーパーイケメンで、しかも2人ともTOKIWA本社にパートナーがいること。

そして、可愛い素振りしか見せていなかったリナさんの、初めて公で見せた悪態。
(しかも夫と親に叱られた上、本当に仕事をせずに帰ってしまうという珍事付き)

…という、他人にとっては格好の話題があるからだ。

特にリナさんについては言葉遣いと性格の悪さが露見してしまい、それまで何かとリナさんを推していた男性社員ですら「中身はあんな子だったとはな。引くわー」と嫌悪の態度を見せていた。


幸いなことに、デザイン室はこのフロアの奥に独立した部屋があり、関係者以外は勝手に入れない。

だから、朝礼後すぐ霧ちゃんに手を引かれ、そそくさとこの部屋に逃げ帰った私達が野次馬に囲まれることはなかった。

まぁ、デザイン課のメンバーからは質問が飛んできたけど、霧ちゃんが「兄貴も龍綺もゴシップは嫌いなのよ。だからあたし達も答えないわよ」とバッサリ断ち切ったため、それ以降は下世話な質問をされることはなく穏やかに過ごせた。

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