空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~
「もう一回抱きたい…すげぇ愛したい」
「だっダメっ!」
「なんで………あっ!言っとくけど俺、ただヤリたいんじゃないからな!那知を愛したいってことだからな!」
そこは誤解されたくないし!
「ふふっ、それは分かってるよ」
「…ほんとか?」
「うん。だって、カラダ目的だったら私みたいな平凡な女なんてそもそも選ばれないもん、ふふ」
ニコニコと、さも当たり前かのように那知は言う。
「はぁ……那知、もう少し自分に自信を持て。那知は魅力ある女性なんだから、もっと男に対して危機感を持て」
じゃないと24時間365日ピッタリくっついてなきゃ安心できないだろ?
「うーん…自分に自信か……それはなかなか難しいけど……でも危機感はちゃんと持ってるよ?」
「嘘をつけ。土曜の夜、露天風呂に入るっつって、俺の前で裸になっただろ。んん?」
「あー……あれは…」
「いくら酔ってても、それに、いくら俺が保護者扱いだったからといってもだな」
「あっ、あれは賢太郎さんだから…」
「ん?…何がだ?」
「賢太郎さんじゃなかったら…あんなことしなかったよ」
「?…それはどういう…」
すると、那知がもじもじしながら言った。
「んと……絶対に女として見られてないだろうけど……でも…賢太郎さんが私を女として見てくれたらいいのにな、って…ちょっとだけ思って…」
「………」
まさか那知がそんな駆け引きのような事をするとは思わなくて驚いた。
ってかそれって…
「え、俺を誘ってたってことか!?」
…なんだ、急に那知が大人の女に見えだしたぞ。
「やっ、違うってば!誘うだなんて!」
「でも、俺がその気になったら即抱かれてもよかったんだろ?」
そう問うと、那知が「ひゃー!」と赤い顔でアワアワしだした。
「やっ、あの、違うっていうか、や、違くはないんだけど違うっていうか、100%あり得ない中の1%のうっすい希望っていうか何て言うか」
……違うな。
大人の女じゃない。
素で可愛いオンナだ。
クッ………ヤバい、可愛いすぎだろ。
何だよ、100%あり得ない中の1%の薄い希望って……
「あっははは!……もー…那知は可愛くてたまらねぇよ」
「…え?」
「だから抱く」
「ひ…ひゃあっ!そっそれはダメだって!」
「…なんで」
「だって、さっきもギリギリだったのに、もう一回なんてしたら絶対に意識飛んじゃうから!そしたら絶対に朝まで起きないから!」
って言われたんだけど、これって暗に「すごい気持ちよかったからまた抱かれたい」って言ってる様なものだよな?
まだ那知の実家へ挨拶に行く話をしてないけど…それは明日にしような。
今はこんなに可愛い那知をたくさん愛したいから…
「愛してるよ、那知。やっぱ朝まで離さない」
「えぇぇ~!?」
…大丈夫。
俺がちゃんと出勤前に家に送るからさ、今は俺に愛させて、那知。