空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~
「…それで…俺の事も全然覚えてなかったんですね…」
「あぁ…。しかも、少しでもその片鱗を思い出しそうになると、発作とまではいかないけど苦しそうにしてさ…」
そっか…
「…それで、言い方は悪いですが、思い出させないために連絡先を取り上げた、と」
「……そうだ。……ケンが那知からの連絡を楽しみに待っているかも…とも考えたが……那知をこれ以上苦しませたくなくてな……」
「えぇ、そう考えて当然です」
そうか……
それでいくら待てども手紙が来なかったのか……
「俺、ケンには事情を話そうかとも考えたよ。…だけど、ケンはケンでこれから頑張らなきゃいけない時期だったし…こっちのゴタゴタに巻き込むのも申し訳なくて……結局言わずじまいだった。…でも……後から、やっぱ言っておけばよかったのかも…って何度も後悔したよ……本当にすまなかった」
と、深く頭を下げられた。
「何言ってんですか!頭を上げてください!そんなの勇貴さんが謝ることじゃないですから!それに……そんな辛い時期に俺の事まで気に掛けてくれて…ありがとうございます」
「ケン……ありがとう。そう言ってもらえると報われるよ」
「…謝るのは俺の方ですよ……そんな大変なことになっていたのに全く知らず…力になれなくて……」
「ありがとな。…ケンはあの時も優しいヤツだと思ってたけど、そこは変わらないな。すっかり立派な大人の男になったのに、優しさはそのままだ。安心したよ」
「勇貴さん…」
「ケン。どうか、那知を幸せにしてやってくれ。頼む!…あのダメンズを引き寄せてしまう那知にはケンじゃないとダメだ。ケンがいてくれないと那知は一生幸せにはなれん」
「勇貴さん、ありがとうございます。俺が那知を幸せにします。…俺も、那知じゃないと幸せを感じないんですよ」
「ケン……ありがとう…ありがとう!…父さんもな、まだハタチだったケンのこと買ってたよ。〝あいつは将来、きっと地に足をつけて統率していく男になるだろう〞ってさ…」
「おじさん……」
大学時代、親父にも友達にも言えず、 自分の生き方に悩んでた俺を引っ張り上げてくれたのが、あの時に話を聞いてくれた那知の親父さんだった。
だから、那知には言ってなかったけど、結婚の話を出した時から、早くおじさんに会いたかったんだ。
会って、まずはお礼を言いたかった。
今の俺を作ってくれた、最初の人だから。
そして…「お父さん」て呼びたかった。
それが……あれから数日後に亡くなってただなんて……
ちくしょう…涙が止まらねぇよ……
「お父さん…」
片手で目を隠すも、頬を伝う涙が後を絶たない…
そんな俺を、勇貴さんがガシッと抱き締めてくれた。
「あぁ…。しかも、少しでもその片鱗を思い出しそうになると、発作とまではいかないけど苦しそうにしてさ…」
そっか…
「…それで、言い方は悪いですが、思い出させないために連絡先を取り上げた、と」
「……そうだ。……ケンが那知からの連絡を楽しみに待っているかも…とも考えたが……那知をこれ以上苦しませたくなくてな……」
「えぇ、そう考えて当然です」
そうか……
それでいくら待てども手紙が来なかったのか……
「俺、ケンには事情を話そうかとも考えたよ。…だけど、ケンはケンでこれから頑張らなきゃいけない時期だったし…こっちのゴタゴタに巻き込むのも申し訳なくて……結局言わずじまいだった。…でも……後から、やっぱ言っておけばよかったのかも…って何度も後悔したよ……本当にすまなかった」
と、深く頭を下げられた。
「何言ってんですか!頭を上げてください!そんなの勇貴さんが謝ることじゃないですから!それに……そんな辛い時期に俺の事まで気に掛けてくれて…ありがとうございます」
「ケン……ありがとう。そう言ってもらえると報われるよ」
「…謝るのは俺の方ですよ……そんな大変なことになっていたのに全く知らず…力になれなくて……」
「ありがとな。…ケンはあの時も優しいヤツだと思ってたけど、そこは変わらないな。すっかり立派な大人の男になったのに、優しさはそのままだ。安心したよ」
「勇貴さん…」
「ケン。どうか、那知を幸せにしてやってくれ。頼む!…あのダメンズを引き寄せてしまう那知にはケンじゃないとダメだ。ケンがいてくれないと那知は一生幸せにはなれん」
「勇貴さん、ありがとうございます。俺が那知を幸せにします。…俺も、那知じゃないと幸せを感じないんですよ」
「ケン……ありがとう…ありがとう!…父さんもな、まだハタチだったケンのこと買ってたよ。〝あいつは将来、きっと地に足をつけて統率していく男になるだろう〞ってさ…」
「おじさん……」
大学時代、親父にも友達にも言えず、 自分の生き方に悩んでた俺を引っ張り上げてくれたのが、あの時に話を聞いてくれた那知の親父さんだった。
だから、那知には言ってなかったけど、結婚の話を出した時から、早くおじさんに会いたかったんだ。
会って、まずはお礼を言いたかった。
今の俺を作ってくれた、最初の人だから。
そして…「お父さん」て呼びたかった。
それが……あれから数日後に亡くなってただなんて……
ちくしょう…涙が止まらねぇよ……
「お父さん…」
片手で目を隠すも、頬を伝う涙が後を絶たない…
そんな俺を、勇貴さんがガシッと抱き締めてくれた。