空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~
『華屋旅館』は海の近くにあり、夏場は海水浴も楽しめるのだが、流石に水遊びする気は毛頭なく、俺は海を眺めに海岸へ行っていた。

岩場に座って海を見ていると、心に溜まった澱(おり)や、女関係で汚れてる自分を流してくれる気がして。



…そろそろ将来の事を決めなければいけない。

…いや、もう決められてはいるのだが。


〝俺はこのままでいいのか〞

〝俺は親の操り人形なのか〞


このまま、親の敷いたレールに乗る人生でいいのか。

自分で我が道を切り開くのが大人じゃないのか。


……そんな悩みというかどうしようもない思いに、俺は押し潰されそうになっていた。


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