空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~
裏切り
翌日、金曜日──
尚人は昨夜私に「明日は会社を休んで。また月曜に」と言っていたが、そんな失恋ごときで会社を休めるか!
と出社することにした。
泣き腫らした目は温めて腫れを落ち着かせ、それでも気になる部分はメイクでごまかし、たまにオシャレとしてかけている伊達眼鏡も着用すれば、ほら普段どおり。
少ーしだけ鼻声だけど、それは「風邪っぽいかも」って言っておけばいいよね。
オフィスビルに入ると、エレベーターホールで尚人の後ろ姿を見つけてしまった。
タイミング悪……
まぁどうでもいいや、と少し離れて待っていたら、何気なく振り向いた尚人が私を見てぎょっとした。
そこへエレベーターが来たので乗り込むと、他には誰もおらず私達だけだった。
「おはようございます」
「…おはよう……休まなかったんだ……」
「はい。来てはいけませんでしたか?」
「いや…」
それで会話は途切れ、私は先にエレベーターを降りた。