空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~
「早く俺達の子ども、できてくれないかな。…もしかしたら本当にもう新しい命ができ始めてたりしてな」

なんて俺が呟くと、那知がガバッと起き上がった。

「えっ…、本当にもう…その…中に…?」

あれ、分かってなかったのか。

「あぁ、最初の時から中に出してるけど。早く那知との子ども欲しくて」
って普通に答えたら、赤い顔して驚いてる。

「えっ…え!? ほっ本当に!?」

「うん。あっ……嫌だったか…?…や、普通嫌だよな…勝手にとか……ごめん……」

そうしてでも那知を俺の元に置いておきたかったから…

って、いい歳してほんと身勝手だな、俺…

そうだよ、それこそデキ婚に持ち込んでるじゃねぇか…
そりゃあ周りもいい顔しないってのに…


はぁ……

急にどかんと罪悪感が押し寄せてくると、那知の顔が見れなくて…カーペットに視線を落とした。


…すると、俺の手がそっと小さな手に優しく握られた。

「ううん、違うの。私……他の人にされてたらすごく嫌だし困ったと思うけど……私も賢太郎さんの子どもが早く欲しいから……私にそうしてくれたのがすごく嬉しいの。それに、結婚する、って職場でも言ってくれたから、もし新しい命ができてるとしても、授かり婚だなんて言われないだろうし」


そっ…と那知を見ると、いつもの優しい笑顔。

……はぁ…っ……よかった……

「ありがとう、那知…嫌われたらどうしようかと思った…」

「あ!……あの、でも、賢太郎さんて…誰にでもそんなことしてたり…とか…じゃないよね…?」

ん?

「俺、ゴム無しでしたの那知が初めてだし、つけてても中で出したことないから。ほんとだぞ?」

「そっそうなんだ」

「あぁ。だからある意味、那知が初体験なんだよ」

「ふふ、もう賢太郎さんには初体験することなんてないと思ってたから、私が初めてだなんて嬉しいな。私も…避妊しないのって初めてだから…」

「じゃあ…俺達、直接触れ合うって意味では初めて同士なんだな」

「ふふ、そうだね」

「…うわ、なんかそれ一番嬉しいかも。…よかった…那知に直に触れたのが俺だけで」

「ん…私も。ふふっ」

「那知の初めてか……あー…那知の初めては全部俺がコンプリートしたかったな。さすがにもう初めてはないだろうし」

「ふふ、そんなことないよ。私…あんなにおかしくなったり、意識飛ばしちゃったの…賢太郎さんが初めてだもん」

「えっ!」何だって!?

「えっ?」

「それはもしや、俺が初めて那知をイカせたってことか…?」

「ひゃあ!そっそうハッキリ言われると恥ずかしいけど……うん…」

マジか!
「…じゃあ…あの那知の姿は他の男は知らないんだな」

「う……よく分からないけど…そうなのかな…」

「ふ、じゃあさ、今日はちゃんと言って?今までよりもっと感じさせるから……気持ちいいとかイキそうとか…俺に聞かせてよ」


…那知をベッドに押し倒すと、それだけでオンナの顔を見せてくるのが堪らなくて……

理性を失ってしまうほどお互いを貪り、そして愛し合った。

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