空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~
目の前のテーブルに置かれた一枚の大きな用紙。
【森のグランピングリゾート 月舞星舞】という大きな文字と、緑に囲まれたたくさんの建物が描かれているそれは、完成イメージ図の様だった。
それを見ながら良美さんが語ったのは、華舞雪舞の姉妹館を建てるという計画。
計画というか既に施設の建設は進んでいるらしく、来年夏のオープンに向けて、これから細かなインテリアなどの詳細を詰めていくのだそう。
そして、現在、華舞雪舞で良美さんの娘さんと一緒に女将見習いとして働いているかなめさんが、旦那さんと一緒にこの施設の支配人になるという。
「でもね、姉妹館と言っても華舞とは全然違うの。こっちはファミリー層を狙ったグランピング風の施設でね。でもテントだけじゃなく、ラグジュアリーなヴィラや温泉もあるし、ファミリー以外でも過ごしやすい、どなたでも楽しめる施設になることは間違いないわよ、うふふ」
へぇ…と感心した様に言う賢太郎さんが、イメージ図にトンと指を置いた。
「この辺りがグランピングの大型ドームテントエリアで、こっちのエリアがプライベートヴィラか。共用のプールとアスレチック、散策路にレストラン…更にホテル棟もあるのか。…ハハッ、これは面白そうだな。…そっか、いよいよ姉貴も女将か。良かったな」
「ありがとう。でも主人と一緒だし、管理人みたいな感じだから、女将とはちょっと違うかもね」
「はは、確かにグランピングじゃ女将とは言わねぇか」
「それでね、これがアサトさんにもお伝えした事なんだけど、この『月舞星舞』専用の食器のデザイン案をお願いしたいと思って」
新施設専用の食器のデザイン!?
わぁ…それってすごいお話だよね!
「…それは、アサトとTOKIWA、両方と取引を?」
「まだ未定ではあるけど、どちらかになると思うわ。なので、それは実際にデザインや使いやすさ等を見させてもらって決めたいと思ってるの」
「なるほど…」
賢太郎さんが顎に手を当てて何やら考えている。
TOKIWAなら誰がデザインするんだろう…
まずはデザイン課で案を持ち寄っての話し合いかな?
ふふ、ワクワクするなぁ。
なんて巡らせていると、紅羽さんの「じゃあ、こうしませんこと?」という声が聞こえ、ここにいる皆が紅羽さんに目を向けた。
「私と那知さんで案を出して、選ばれた方が賢太郎と結婚しますの!」
「ハァ!? 何を勝手に」
「でも、これなら実力も伴っていると見てもらえるし、どちらが十和田の跡取りの妻に相応しいか一目瞭然ですわよね?」
「俺の意思を無視するんじゃねぇよ」
「…だが…まぁ、それも一理あるな」
「親父まで何言ってんだよ!」
「ねぇ、那知さん、どうかしら?私は喜んで受けて立ちますわよ」
そう宣戦布告を受けた私は…
「すみません、それはしたくありません」
と…断った。
【森のグランピングリゾート 月舞星舞】という大きな文字と、緑に囲まれたたくさんの建物が描かれているそれは、完成イメージ図の様だった。
それを見ながら良美さんが語ったのは、華舞雪舞の姉妹館を建てるという計画。
計画というか既に施設の建設は進んでいるらしく、来年夏のオープンに向けて、これから細かなインテリアなどの詳細を詰めていくのだそう。
そして、現在、華舞雪舞で良美さんの娘さんと一緒に女将見習いとして働いているかなめさんが、旦那さんと一緒にこの施設の支配人になるという。
「でもね、姉妹館と言っても華舞とは全然違うの。こっちはファミリー層を狙ったグランピング風の施設でね。でもテントだけじゃなく、ラグジュアリーなヴィラや温泉もあるし、ファミリー以外でも過ごしやすい、どなたでも楽しめる施設になることは間違いないわよ、うふふ」
へぇ…と感心した様に言う賢太郎さんが、イメージ図にトンと指を置いた。
「この辺りがグランピングの大型ドームテントエリアで、こっちのエリアがプライベートヴィラか。共用のプールとアスレチック、散策路にレストラン…更にホテル棟もあるのか。…ハハッ、これは面白そうだな。…そっか、いよいよ姉貴も女将か。良かったな」
「ありがとう。でも主人と一緒だし、管理人みたいな感じだから、女将とはちょっと違うかもね」
「はは、確かにグランピングじゃ女将とは言わねぇか」
「それでね、これがアサトさんにもお伝えした事なんだけど、この『月舞星舞』専用の食器のデザイン案をお願いしたいと思って」
新施設専用の食器のデザイン!?
わぁ…それってすごいお話だよね!
「…それは、アサトとTOKIWA、両方と取引を?」
「まだ未定ではあるけど、どちらかになると思うわ。なので、それは実際にデザインや使いやすさ等を見させてもらって決めたいと思ってるの」
「なるほど…」
賢太郎さんが顎に手を当てて何やら考えている。
TOKIWAなら誰がデザインするんだろう…
まずはデザイン課で案を持ち寄っての話し合いかな?
ふふ、ワクワクするなぁ。
なんて巡らせていると、紅羽さんの「じゃあ、こうしませんこと?」という声が聞こえ、ここにいる皆が紅羽さんに目を向けた。
「私と那知さんで案を出して、選ばれた方が賢太郎と結婚しますの!」
「ハァ!? 何を勝手に」
「でも、これなら実力も伴っていると見てもらえるし、どちらが十和田の跡取りの妻に相応しいか一目瞭然ですわよね?」
「俺の意思を無視するんじゃねぇよ」
「…だが…まぁ、それも一理あるな」
「親父まで何言ってんだよ!」
「ねぇ、那知さん、どうかしら?私は喜んで受けて立ちますわよ」
そう宣戦布告を受けた私は…
「すみません、それはしたくありません」
と…断った。