婚約破棄されたら、高貴な紳士に極上な愛を注がれました。



「ありがとう。行ってくるわね」

「はい。いってらっしゃいませ」


 私は彼らに見送られながら屋敷から出てすぐにシルバーの車が目に入る。私たちを確認したのか運転手が降りてきた。


「透冴様、陽鈴様。どうぞ」


 運転手はドアを開けてくれて中に入るように促す。すると、西條さんが先に乗ると手を差し出してくれて乗車するとすぐに出発した。


 車内は静かだったが、家の敷地内から出ると西條さんが口を開く。


「今から予定通り、ランチに向かうつもりだけど大丈夫かな?」

「あ、はい。大丈夫です……よろしくお願いします」


 事前に今日の日程は教えてもらっていて、ランチの場所もURLで送ってもらって見ていたけどとてもおしゃれなレストランだったから楽しみ。

 車で三十分ほどで到着したのは五十階建て商業ビル。レストランはビルの四十二階にあり、エレベーターで向かった。店内は、木製のシャンデリアが綺麗で店のほとんどがガラスなので絶景だった。




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