婚約破棄されたら、高貴な紳士に極上な愛を注がれました。



  ***



「ん〜美味しい」


 西條さんがフレンチランチを予約してくださっていたため、すぐに料理がやってきた。

 オードブルやスープにパスタが出てきて、和牛フィレのグリルは柔らかくホロホロ。デザートはティラミスで口に入れたらシュワっと溶けてしまった。


「陽鈴さんは、美味しそうに食べるよね」

「あっ、すみません。顔に出るって言われていたから気にしていたんですが……美味しすぎて」

「美味しそうに食べてくれた方が嬉しいよ。昔から変わっていないんだね」

「……? 昔?」


 今、昔って言ったよね?どういうこと?

 やっぱり会ったことあったのかな。


「あぁ。陽鈴さんは覚えてないみたいだけど、俺と君は会ったことあるんだよ」

「や、やっぱり」

「……もしかして覚えてた?」

「いいえ! でも、なんだか、見たことあるような気がしていて……会っていたからか」

「そうか。なんだかうれしいな、会ったのは、うちのパーティーだよ。高田社長は、私の祖父と仲が良かったから招待していたんだ。その時、陽鈴さんはまだ中学生だったから」


 へぇ……そうなんだ。でも、中学生なのに覚えてないなんて不思議だ。


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