婚約破棄されたら、高貴な紳士に極上な愛を注がれました。



「陽鈴ちゃん。俺は初めて会った日、自分の伴侶は君しかいないと思っていたんだ。だけどまさか、婚約後だったことでヤケクソで留学した。それで帰国したら、陽鈴ちゃんは婚約破棄したばかりと聞いてすぐに高田社長と会ったんだよ」

「えっ」

「傷心の君につけ込むみたいで申し訳ないと思ってる。だが、どうか結婚してくれないだろうか。俺は君しかダメなんだ」


 そう言って私に花束をさしだす。それは、赤いバラだった。定番という感じに花束を差し出す。


「大切にする。だからどうか結婚してください」


 それはロマンチックなドラマのようで現実味がない。だけど、目の前には見下ろした顔もイケメンな彼が花束を差し出していた。

 

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