婚約破棄されたら、高貴な紳士に極上な愛を注がれました。
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「……本当に驚きしかないんだけど、陽鈴」
「あはは、それはごめんね」
結婚してすぐ、私は親友の真昼には報告した。
そしたら、いろいろ詳しく聞きたいから毎月恒例のランチ会を少し早めようと言われたので今月二回目のランチ会をしている。
いつも利用している一日一組のみの完全予約制レストランで、人気メニューはふわとろオムライスだ。毎回、これを注文している私たちの中では定番となっているもので毎度変わらず卵がふわふわでとろとろで美味しい。
「ごめんねじゃないわよ〜……もう。私、本当にびっくりよ。心臓が止まるかと思ったわ。でも、アイツと別れられて良かったよ。まぁ、それ以上に大物を釣り上げたけど」
「そうね。本当にそう。透冴さんは高貴な身分だもの……下品な態度はしないし、常識あって、優しいし」
「惚気? 陽鈴から惚気話が聞くことができるなんて嬉しいわぁ〜陽鈴は、家のために婚約してそのまま結婚だと思っていたから。陽鈴も名家出身だし、可愛いし」
「惚気なんかじゃないし、可愛くない。透冴さんはイケメンだけど」
「ほら、惚気じゃん。幸せそうで良かったよ。本当に安心した」
真昼はそう言うと、注文したオムライスが運ばれてきたので二人でスプーンを持ってまずはとろとろの部分を掬って食べる。