婚約破棄されたら、高貴な紳士に極上な愛を注がれました。
共に戦いの場へ



「――素敵ですね、奥様」

「ありがとう。透冴さんが選んでくださって……素敵な柄ですよね」


 今日は朝早くから肌のお手入れなどをされて磨き上げられた私は、彼が選んでくれた淡いピンク生地に貝桶と草花文様が合わさっている着物を纏っている。

 まさしく高貴なお家の奥様という感じで仕上げられていた。


「柄もお綺麗ですが、陽鈴様もとても美しいですよ。髪も結える長さになりましたし、この簪も黒髪に映えていてお美しいです」

「す、少し褒めすぎじゃないですかっ? そんな、皆さんのおかげでちゃんと奥様らしい格好ができているだけです」


 これで透冴さんの妻として、元婚約者ともちゃんとたたかえそうな気がする!

 小さく気合いを入れていると部屋のドアがノックされ、仕上げてくれたメイドがドアを開ける。すると、そこから透冴さんが顔を見せた。

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