婚約破棄されたら、高貴な紳士に極上な愛を注がれました。



「透冴さん」

「陽鈴ちゃん。綺麗だ、やっぱりピンクが似合うね」

「ありがとうございます、透冴さん」


 透冴さんは近づくと私の手を取り、手の甲へキスを落とす。


「……っ……と、透冴さん」

「ん? 陽鈴ちゃんが可愛すぎて」

「なっ、何を言ってるんですか!? 家だから仲のいい愛溢れる夫婦にならなくてもいいのでは?」

「何を言ってるんだ? 俺は入籍をしてから愛溢れてるんだけど、毎日、君が好きになってるよ」

「そ、そうなんですかっ?」


 え、えぇ?あれ、復讐と後継を産むだけの結婚じゃなかったっけ……!?


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