婚約破棄されたら、高貴な紳士に極上な愛を注がれました。
「復讐だけの結婚だと思ってる?」
「あ、はい」
「違うよ。最初に言わなかったかな、俺は君が好きだと」
……え?言っていたっけ?
私は一生懸命思い出そうとお見合いのところまで記憶を巻き戻す。
すると、そういえば……と思い出した。うん、言っていた。
傷心の私に申し訳ないとも言ってた。
「まぁ、交際0日婚のようなものだったからね。それに復讐の名目がないと結婚してくれないでしょ」
「た、確かに」
「ははっ、正直だな。じゃあ、行こうか」
透冴さんに手を出されて私はその手を取ると、お屋敷を出て西條家の車に乗った。