婚約破棄されたら、高貴な紳士に極上な愛を注がれました。
「家のことは気にしなくていいんだよ。陽鈴には幸せになってほしいって思ってるからね。それに、わたしはねあの息子は好きではなかったんだ」
「お父様、でも、結婚式まで一ヶ月もなかったのに……大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよ、お父さんを誰だと思ってるんだい? 大丈夫だから任せておいて」
その後、私と帆楽さんの婚約破棄があちらが有責でされることになった。
詳しくは分からないが、お父様は慰謝料請求の他にこちらで多く支払いをしていた結婚式の費用とキャンセル料を請求したらしい。
婚約破棄騒動が終わり、私には家の役にも立てずもう縁談なんて来ないんだろうなぁと考えて過ごしていればお父様に呼び出された……それはまだ三日後のことだった。