婚約破棄されたら、高貴な紳士に極上な愛を注がれました。
決別ともう一つの復讐


 パーティー会場の大ホールは、地下二階にある。
 客室からエレベーターで地下一階で降りると、フカフカの絨毯が敷かれている豪華な階段で下がっていけば大ホールに到着した。


「陽鈴ちゃんまず挨拶にいこうか」

「はい。透冴さん」


 ホールに入ると、まだ少ししかいなかったが順に透冴さんと挨拶をしていく。
 人がまばらだったが、挨拶をしていくうちに人は増えて行った。中には、元婚約者と婚約していた時に会ったこともある社長さんもいて少し楽しく話ができた。

 挨拶が一通り終わると前からこちらに向かって歩いてくる中年くらいの男性と派手な女性、彗哉さんが見える。


「……透冴」


 彼の名前を呼んでいるし、男性は目元が彼に似ているからきっと透冴さんと彗哉さんのお父様だ。そう考えると、隣の女性は彗哉さんのお母さんだろう。


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