婚約破棄されたら、高貴な紳士に極上な愛を注がれました。



「け、彗くん。どうしたの? 今、笑う場面じゃなくてあなたにとっての大切なことを話をしてるのよ」

「相変わらずおめでたいね。ははっ……俺にとって大切なこと? 大丈夫、俺、西條を継ぐつもりはないからさ」

「は!?」

「母さん、俺ね。別に西條フレグランスに入ったのは社長になりたいからでもないんだよ。社長である兄さんを支えるためだ。今まで仲の悪い兄弟だったけど本当はね、結構大好きだし仲良くしてるよ。それに、俺も西條フレグランスを辞めるから。兄さんのいない会社に未練ないんだ。だから、俺、兄さんの新しい会社にはいるから」


 突然の裏切りに継母も驚いている。

 自分の息子だし、同じ方向をむいていると思っていたのだろう。
 彼女は、泣き崩れた。まさか、正妻の子と仲良かったなんて信じられないと言った表情をしていた。

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