婚約破棄されたら、高貴な紳士に極上な愛を注がれました。
それから一週間ほど経った。
「陽鈴ちゃん、やっぱりこの色お似合いですね」
「ありがとうございます。サツキさん」
サツキさんとは、私が高校生の時からお世話になってるヘアサロンの担当美容師さんだ。だから私のことも“様”付けはしないでくれていて『陽鈴ちゃん』と呼んでくれる数少ない人。
「今までは全然似合わない色だったんだもの、陽鈴ちゃん」
「あはは、そうですね。私もこっちの方が好きです」