ドロ痛α様に狙われて
ハートが自信の塊でできた俺様総長が、私に謝罪してくれている。
責任感の強い騎士のような凛とした瞳で、私を見つめないで。
優しさと誠実さを見せつけられたら、まずい。
どんどん東条くんの魅力沼にはまってしまうのに。
――私の首を噛んで欲しい。
自分の中に通うオメガの血が騒いで、手が付けられなくなっちゃうのに。
とりあえず私もあやまらなきゃ。
もとはと言えば私のせい。
「私の方こそごめんなさい。東条くんのアルファフェロモンに惑わされていたとはいえ、無責任なことを言ってしまって」
首を噛んで欲しいなんて、絶対にアルファにお願いしちゃダメだったんだから。
「そろそろ帰るか、教室」
「うん、そうだね」
ユルふわなポニーテールが揺れるほど、大きく頷いてはみた。
でも……