秘めごとは突然に。
ひょこっと宮腰くんの背後から顔を覗かせると、男が恐怖に怯えた顔をしながら小刻みに震えていた……え、なんで?


「……っ!!!!」


そして走り去った。


「あらら、行っちゃったね。ごめん、篠宮さん。また明日学校でね」


チラッと私の方へ振り向いて、再び前を向くとスタスタと歩いて行ってしまった。


「え?ちょっと……宮腰くん!?」


スタスタ歩いてる……と思ったら、いきなりガンダして既に姿が見えなくなった……って、え?いや、え?ちょ、マジでどういうこと!?もしかして、あのヤクザを追いかけた……とかじゃないよね!?


「いやぁ……ナイでしょ、それは……さすがに……ね?」


──── ああーーもうっ!!


そのちょっとした可能性が捨てきれないーー!!




私は宮腰くんを追うように街中を駆けた──。

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