秘めごとは突然に。
宮腰くんだと思ってたら『瀧川くん』だったし、陰キャだと思ってたらどちらかと言うと『陽キャ』っぽいし、喧嘩弱そうだと思ってたら『めちゃくちゃ強い』というか、もはや強いとかの次元を通り越して『ほぼ殺○屋』だし、ヤクザとか絶対に無縁だろうなって思ってたら『ヤクザ(組長)の息子』だし──。


──── でも、瀧川くんが私へ向けてくれている感情は嘘偽りもなくて、ただただ純粋に私を愛してくれている──。


その真っ直ぐで揺るぎない瞳が、私を捉えて離そうとしない。


瀧川くんのことが『好き』とか『嫌い』とか、そんなのはまだ分からない。 

けど、こんなにも私へ『愛してる』の感情を向けてくれる人が一体どんな人なのか……瀧川くんがどんな人なのかを、私は知りたくなってしまった──。

これが『正解』なのか『不正解』なのか、私にはもう正常な判断が付かなくなっている。


「瀧川くん」

「ん?」

「…………ごめん、吐きそう」

「え?えっ!?え、ちょっ、だっ、大丈夫?どうしたの!?」

「私、ちょっと血が苦手で……うぐっ」


自分の生理の血ですら苦手な私。緊張の糸が急にプツンッと切れた瞬間、瀧川くんの返り血姿と血の匂いが私を襲ってきた。


──── オロオロオロ~~キラキラキラ~~。


たまらずその場で嘔吐した私。

瀧川くんは返り血を浴びてしまった制服を脱いで私の背中を擦ってくれた。

その手の温もりと優しさに包まれる──。

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