秘めごとは突然に。
ああ、最悪すぎる。瀧川くんの前で吐いちゃうとか何してんのよ、私。



「ごめんね、篠宮さん。吐けるだけ吐いちゃいな?」



文哉は私が体調不良で吐いた時、すごく嫌そうな顔してたな。背中を擦るどころか『こういう時に俺っていない方がいいよな?帰るわ。また落ち着いたら連絡してよ。お大事に』って──。その日、そのまま他の女を抱きに行ってたな。


今、瀧川くんも嫌な顔してるのかな。

さっさと帰りたいって、そう思ってるのかな。



───── ポタッ、ポタッ……。



涙が溢れ、落ちていく。



やっぱもう無理かもしれない。私が誰かを『好き』になるなんて──。
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